明るく振る舞う内田。裏腹に、取り巻く環境は最悪
2011年9月からスタートした2014年ブラジルW杯アジア3次予選に挑んだ日本代表は、本田圭佑の長期離脱という苦境に直面しながら、2011年11月に行われた4戦目のアウェー・タジキスタン戦で最終予選進出を決めた。
最終予選が始まるのは2012年6月。それまでの間にどれだけ戦い方のオプションを増やせるか。それがチームの大きな課題とみられた。
そんな中、迎えた2012年は2月のアイスランド戦(大阪・長居)と3次予選最終戦のウズベキスタン戦(豊田)の2連戦から幕を開けた。
アイスランド戦は国内組だけの構成。常連組の遠藤保仁や今野泰幸らに加え、2011年Jリーグ王者・柏レイソルの近藤直也や田中順也、10代の磯村亮太、柴崎岳、久保裕也らも抜擢され、フレッシュな陣容となった。
この試合は前田僚一、藤本淳吾、槙野智章のゴールで3-0で勝利。要所要所でいい働きを見せた藤本、槙野、増田誓志らがウズベキスタン戦も生き残り、欧州組と合流して公式戦に臨むことになった。ボルトンで試合に出るようになった宮市亮も初招集され、彼への期待も大いに高まった。
その宮市を真っ先にいじったのが、内田篤人だった。試合前日の写真撮影の時に2人が絡む様子が注目され、内田はこんなコメントをしていた。
「宮市ってすっごい可愛い顔してますね。中学生みたい。イケメンランキングで双璧? いやー、向こうの方がいいんじゃないですか。ポジション的にも目立つし。写真の時に『お前が近くに来たら写るからどっか行け』って言ったら、『すいません』って。
その様子を見てて上下関係を気にしてるってすごい分かったし、やっぱり高校サッカー出身者ですね。自分も19歳で代表入りしたけど、俺、あんなに顔、幼かったかな…」と。
宮市のことは饒舌に喋っていた内田だが、当時の彼を取り巻く環境は最悪だった。