鍵握るセンターバック陣のボール奪取
ここまで記してきたように、バイエルン戦では彼らの守備ラインを押し込むこと、特にサイドでの攻防が重要となるはずだ。では、中盤はどうか。ドイツのチームを見れば、いまだオーガナイザーを決めかねている様子だ。
ラームがその役割をこなしたかと思えば、バスティアン・シュバインシュタイガー、トニ・クロース、チアゴ・アルカンタラ、ハビ・マルティネスが務めることもある。
一方、アンチェロッティのスタメンに目を向ければ、シャビ・アロンソというピッチ上の元帥が君臨している。彼が負傷から復帰して以降、マドリーのプレーは明らかに改善された。スペイン代表MFは中盤の底でプレーするために必要な長所をすべて兼ね備える。
つまりは、守備に安定性をもたらすポジショニング&カバーリングと、攻撃の起点となるためのオーガナイズ能力だ。マドリーのプレーにおいて、ロナウドの次に影響力を持つ選手として君臨するのが彼なのである。
また、マドリーが攻撃的に戦うとなれば、堅実な守備を後ろ盾としなければならない。ペップがマリオ・マンジュキッチという純粋なストライカーを置くのか、それともミュラーかマリオ・ゲッツェを“ファルソ・ヌエベ(偽9番)”として起用するのかは分かりかねる。
しかしペペとセルヒオ・ラモスは以前のようなパフォーマンス、特にフィジカル面における強さを取り戻す必要がある。彼らがバイエルンの前線に送られるパスを素早く奪うことができなければ、ここまで記してきたプランが機能することはないだろう。
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