ロナウドとベイルでサイドを押し込む
それらに加え、ロナウドがサイドから内に切れ込みセカンドストライカーへと変貌を遂げることは、マドリーの攻撃において重要な鍵となる。バイエルンのボックス近くでロナウド&ベンゼマ、ボアテング&ダンテという2対2の局面をつくり出せるからだ。これこそ、マドリーが決定機を生み出すベースとなるはずだ。また、それに伴う形で、ベイルが活躍する機会も訪れるだろう。
マドリーがウェールズ代表MFを獲得したのは、バイエルン戦のような試合のためといっても過言ではない。彼はトッテナムでどれほどの能力を有する選手かを示したが、このようなレベルの舞台でそれを再度証明する必要がある。
クラブが声高に叫ぶことはないが、ベイル獲得が“デシマ”のためであったことは明白だ。彼はマドリー対バイエルンのように拮抗し、個人技が勝敗を分ける試合での活躍が求められている。
さて、ロナウド&ベイルがバイエルンの両サイドバックを自陣に押し込むことは、彼らのコンスタントな攻撃を封じることを意味する。右サイドバックを務めることになるアルバロ・アルベロアかダニ・カルバハル、また左サイドバックのマルセロが、リベリー、ロッベンのケアだけに集中できるからだ。
加えてマドリーのサイドバックは“ロッベリー”と過去に何度も対戦しており、そのような経験は、攻撃より守備の選手に優位に働く。数的不利に陥らない限り、サイドからの損害は食い止められるはずである。
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