時に政治家のように、時に科学者のように言葉を発するブライトナー
そして、監督のペップ・グアルディオラに話題が移ると、ブライトナーの長広舌は、そのギアを更にシフトアップしてゆくのであった。
指揮官がファン・ハールからハインケス、ハインケスからグアルディオラへと変遷を辿るなか、「グアルディオラが(ハインケスのフットボールを)パーフェクトな形で仕上げた」と語るブライトナーは、そのグアルディオラのフットボールを解説するジェスチャーにも力が入る。
パウル・ブライトナーという人は、「語るべきモノ」をたくさん携えており、それを上手にアウトプットできる能力を持った人のようで、キーとなる単語をパワフルに繰り返す様や、話の緩急の付け方などがまるで優れた演説を聴いているかのような錯覚を聴き手に起こさせる。
確かにその弁舌は優秀な政治家のようで、いっそのことプラティニの後釜を狙ってみるもの面白いのではないかと、また余計な想念が頭をもたげる。
しかし、そうかと思うと、話がブラジルワールドカップに及んだ際、欧州とブラジルの“芝”の違いについて、その重要性を滔々と語るなど、科学者のような一面も覗かせる。「何よりも驚きなのは、ほんの僅かな人しか、このテーマを取り上げていない」と、見過ごされてきた芝の違いの持つ些細なようで重大な意味を強調するブライトナー。
ディテールをとことん掘り下げるその姿勢がドイツ的である。ストレート果汁的な100%ゲルマン民族の風貌もさることながら、時に政治家のように、時に科学者のように言葉を発するパウル・ブライトナーを通じてドイツその物に触れた気がした昼下がりであった。
■インタビューの全貌は
「デイリーサッカーニュースFoot!FRIDAY“ESPECIAL”」にて近日放送予定!
提供:J SPORTS