「オラが街のクラブ」。田舎町を燃え上がらせる一体感
ブラウンシュヴァイクはドイツ北部のニーダーザクセン州にある人口約25万人の田舎町である。降り立ってみるとドイツのどこにでもあるような街並が広がっており、観光客が見たがるようなものは特にない。アイントラハト・ブラウンシュヴァイクしかないというのが正直なところだ。
そして2万3325人収容の小さなホームスタジアム、アイントラハト・シュタディオンは毎試合チームカラーの黄色と青で終え盛っている。
2014年4月9日付のSportBild誌は「5 Erfolgsgeheimnisse der tapferen Braunschweiger(勇敢なブラウンシュヴァイクの選手たちの5つの成果の秘密)」として特集を組んだ。
選手の強靭なメンタル、監督のリーバークネヒトがかつて当のブラウンシュヴァイクの選手としてハノーファーとのダービーを戦ったような経験を持っていること、エースのドミ・クンベラが好調を維持していることなどを取り上げている。
なぜブラウンシュヴァイクはここに来て猛然とした追い上げを見せているのだろうか。もちろん同じく降格を争う他のクラブがなかなか勝ち星を重ねることができていない、ということもある。しかし理由の一つとして、杓子定規だが「一体感」を上げることが出来る。
そこにはドイツ全土に名を馳せるスター選手がいるわけでもない。しかしブラウンシュヴァイク中に名を馳せる選手たちはいる。田舎町がブンデスリーガ1部のクラブを迎え撃つとなれば、人々が燃えない訳がない。熱き青と黄の渦の中で、オラが街のクラブ、監督、選手たちの戦いを力の限り後押しする。