ベスト4入りの厳しさを実感。未来への糧となる敗戦
昨年はバルセロナを相手に、両レグともドローながらアウェーゴールの利で敗退、そして今季は、1stレグからリードしていながらあと3分のところで勝ち抜けを逃す…と、手が届きそうで届かないもどかしさに、オーナーや選手たちも、ベスト4入りの厳しさを実感していることだろう。
それにしても、モウリーニョはまるで予言師だ。前日の会見で彼はこう言った。「明日の試合、敗退してひどく落胆するのは、優勢にあるPSGの方だ。でも我々は違う。多くの人が、敗退するのは我々だろうと思っている。だから楽しんでリスクを冒しにいくよ」。
11月のW杯プレーオフ、ウクライナ対フランス戦を思い出した。ホームでの初戦を2-0で勝利し、勝ち抜けはほぼ確実と言われたウクライナは、その「確実」というプレッシャーに押しつぶされて、第2戦で3-0と逆転された。
失うものがなかったフランスは、ひたすら伸び伸び戦って快勝した。心理的な駆け引き、経験値、エースの度量、指揮官の采配…。レベルが上がれば上がるほどチーム力は拮抗してくるが、そこで勝敗を分けるのが、こういった要素。
今回の敗退も、今は苦くても未来のPSGを作る糧になってゆくのだ。
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