カタール体制3シーズン目。欧州経験の浅いPSG
これがチャンピオンズリーグの洗礼か。ベスト8・2ndレグでチェルシーに逆転されてのPSGの敗退は、「君たちにトップ4入りはまだ早いよ」とドアを閉められたような感じだった。
1stレグは、彼らの出来が特別良かったというより、良いところをまったく出せずに終わったチェルシーの自滅に近い形ではあったが、ホームで3-1の勝利を収めたのは上出来だった。
しかし2ndレグは、完全にチェルシーに主導権を握られた。
勝敗を分けたポイントはいくつかある。まずは「経験値の差」。対戦前から、両国のメディアもその部分に焦点をあて、会見でもそれについての質問が飛び交った。
新体制になって3シーズン目と欧州経験の浅いPSGと、2年前に優勝、指揮官も過去に2冠を手にしている巧者チェルシー。この経験の差が、どれほど影響するか。
ブラン監督は、万が一敗退した場合に備えて予防線をはるかのように、1stレグの前日会見の時点から、「このチームは若く、欧州での経験には乏しい。優勝経験のあるチームと監督に、経験値では圧倒的に及ばない」と話していた。
敗退が決まった後にも「両者の経験の差を感じた。チェルシーのほうが、我々よりも、はるかにこのレベルの試合での戦いに慣れていた」と、まっさきに経験の差を敗因に挙げた。
対するモウリーニョは、1stレグの時点から、「この試合に経験値が影響するとはまったく思わない。ウチのチームにも経験の浅い若手はいるし、PSGにはカバーニ、ラベッシ、モッタ、シウバら、すでに何度もCLを経験している選手がいる」と、「経験値有利案」を一蹴。
勝ち将インタビューでも、逆転勝利は「ファインティングスピリッツの賜物だ」と強調した。実際、貴重な得点を挙げたのは、若いシュールレと、サブ要員のデンバ・バだ。