バイエルンに目立った、ロングボールの多さ
ペップ・スタイルにとって永遠の課題とも言える引いた相手に対して、リベリー、ロッベンが左右両サイドから攻め立てていく。13分、右サイドでボールを受けたロッベンがペナルティエリア内のマンジュキッチへとボールを送り、弾かれたボールをまた拾ってミドルを放つ。17分、左サイド深くからリベリーが大きくサイドチェンジし、右サイド深くボールを受けたロッベンがラームへと繋ぐ。ラームは、マンジュキッチへとクロスを送った。
16分にはマンチェスター・ユナイテッドも左サイドで香川がルーニーにパスを送り、ルーニーが描いた放物線の先にバレンシアが飛び込みながら、右足でゴールに突き刺す。しかしオフサイドの判定が下る。そしてこのシーンがユナイテッドの前半戦で唯一のチャンスらしいチャンスと言っても良かった。25分過ぎには、バイエルンがどのように敵を崩していくのか、試合のテーマはその1点に絞られていった。
ゴール前を固める相手を打ち崩すために、ロッベンとリベリーの両翼が目立ったのと同じくらい、この試合のペップ・バイエルンで目についたのは、ロングボールだった。
キックオフの笛がなるや否や、ダンテはマンジュキッチめがけて勢い良くボールを蹴り込んだ。基本的にはロッベン、リベリーを中心にしてゴール前のマンジュキッチにミュラー、ゲッツェが絡み、アラバ、ラームが攻撃参加する。しかし、マンジュキッチの頭を狙ったボールも目立つ。
両サイドから攻め立て、ゴール前でショートパスを繋ぐばかりではなく、上空からも揺さぶりを掛けようとしているようだった。そのこともあってか、ボール支配率は68%と、バイエルンにしてはやや低めの数値で前半を折り返す。
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