辛辣なカルチョの国で、ポジティブな論調は追い風
最終段落は「我慢」というテーマで締められている。
2つの小さくない出来事がある。2017年に契約が切れる本田だが、1ヵ月前まではミランに残留することが疑問にさえなっていた。だが昨日、ガリアーニは明かした。「アジアで最高の選手に10番を与えたことを悔やんではいない」と。
ミランのJunior Tim Cupのお披露目に出席していたCEOは、さらにこう話した。「我慢が必要。リーグもチームも変わった。ロシアのチームから来てすぐに慣れることはできなかった」。そして「才能のある選手」とも付け加えた。
本田はプロフェッショナルにプレーしている。毎日彼をみている者は、懸命に練習、実践する選手だと讃えている。戦術的にも人間的にも早く溶け込もうとしている。細かく、正確で、エレガントだと評価も高い。
イタリア語も週2回、勉強している。受け入れられるレベルになれば、すべては楽になる。マスメディアよりもチームメイトに。圭佑は内向的な性格で、報道陣とおしゃべリするのは好きではないようだが、先週のガゼッタでのインタビューは特別、素晴らしかった。
それでもスタディオ・ルイジ・フェラリスでの試合後は、我慢強く取材する日本人記者に一言も話さなかった。日本全体が誇りに感じているが、彼はちょっと寡黙なのだ。
アドリアーノ・ガッリアーニCEOは歴史ある背番号10を本田に渡したことを後悔していないという。だが、本格的な成功にはまだ時間がかかると見ている。
我慢できるチーム状況になったことは本田にとって朗報だろう。イタリア語も週2回、家庭教師をつけて勉強しているという。辛辣で有名なカルチョの国で、ポジティブな論調で語られるようになったことは、本田にとって追い風であることは間違いない。
【了】
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