「攻守両面で学習し貢献」。道のりは長くとも、着実に適応
次の段落は「際限のない目標」という小見出しで続けられている。
それが彼の国における彼の存在。それはスポーツを超えている。だからこそ、圭佑がここに至るまでに多くの困難に直面したことは、日本では信じられなかったことかも知れない。
しかし、ジェノアでのゴール、セリエA初ゴールで、すべてが収まる場所におさまった。日本では最低ラインにたどり着いた。
我々イタリアでは、本田がレベルの高い選手になるには、まだまだ長い道のりがあると考えられている。しかし、本田はEL出場権獲得への残り6試合で、ミランにとっての武器の1つとして候補になっている。
“大阪の王子様”は、直近4試合では攻守両面で学習し貢献している(セードルフはいつも先発で使っていたのも事実)。評価点も落第点の雨の後、勇気付けられる採点を獲得している。そして、スタディオ・ルイジ・フェラリスでのゴールへ至る。
大まかに2つの事象が存在する:まず1つ目は、圭佑はミランにとって、水槽の外の魚ではない。そうでなければゴールを決めた後、チームメイトが集まってこなかっただろう。2つ目は忍耐強く練習すれば、このチームに在籍できるということだ。
ジェノア戦でのセリエA初ゴールで日本中がエースの苦難の末に出せた結果に安堵したようだが、イタリアではまだハイレベルなタレントであることを証明するに至っていないという現状をつづっている。
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