前回までのあらすじ
パラグアイのクラブ「リベルタ」に所属する日本人サッカー選手「群青叶(ぐんじょう・かなえ)」は、南米大陸二大カップ戦のひとつ、コパ・スダメリカーナ遠征に参加すべくコロンビア西岸の都市カリにやってきていた。
ベスト8進出をかけた決勝ラウンド、PKを外したことでサッカー賭博に大番狂わせの結果を招いた群青は、大量の資金流出を余儀なくされた麻薬密売組織の怒りを買い拉致される。そしてアジトに監禁された群青がいままさに処刑されようとした瞬間、建物の壁が壊れ、その場にいた組織構成員の大部分が倒れた。生き残った者たちも外からの攻撃で掃討される。
群青の名を呼ぶ日本語の声。助かったと安堵する間もなく、すぐ近くで大きな爆撃音が轟いた。
これをきっかけに空と地上とを問わず火線が飛び交い、辺り一面は大規模な戦争状態に突入した。命からがら逃げ出した群青だったが、曲がり角で出くわした麻薬密売組織側の兵士による一撃を避けきれず負傷してしまう。麻薬密売組織のアジトで群青の名を呼んだ男、松重崇(まつしげ・たかし)によって救い出された群青は意識は失い、米国西海岸サンディエゴの米軍基地に運び込まれた。
治療を終えた群青を、松重は品川の上水流領(かみずる・かなめ)邸に送り届ける。プロサッカークラブ「銀星倶楽部」オーナー社長である上水流には死期が迫っていた。そこで妾の子である群青に後継者として白羽の矢が立ったのだった。
次の社長になれと言う上水流に、群青はこれまでの不遇を呪い反発する。しかし松重の説得により、もはや自分には何もないと悟った群青は、社長となる運命を受け入れた。
腹違いの姉である上水流奏(かみずる・かなで)がライバルクラブ「インテルクルービ」の専務だと知り、動揺する群青。彼は銀星倶楽部のクラブハウスでさらなる驚きに晒される。ポーランド人監督のカジミエシュ・チェシュラックがその場で電撃的に解任されたのだ。チェシュラックは群青に言う。
「わたしは罪を告発しようとして、クラブの敵にさせられた。道理など通らぬ。ここは紛うことなき魔窟だよ」
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