ゴールによって連係も向上し、ようやくスタートラインに。さらなるブレイクに期待
点の出入りが少ないサッカーというスポーツでは、スタッツとは裏腹に一つのエピソードで結果が左右される事が多々ある。ワンプレーで決定的な仕事が出来るというのも、厳しい守備にさらされるビッグクラブの攻撃的プレイヤーには必要な資質である。劣勢の内容で挙げたゴールだからこそ、なおさら意味のある初ゴールだったと言える。
そしてその後に、連係が向上した事も重要だ。4分後、早速右で細かく組み立てた後、パッツィーニからパスを受けてサイドに侵入し、左足でクロスを放つ。これを皮切りに、右サイドでの本田のボールタッチが一気に増えた。
特に印象的だったのは33分のプレイ。ジェノアの中盤3人がプレスを掛けて来た裏を狙い、パスを出す。もっとも、それは味方が反応出来ず相手にキープされてしまった。それでも、本田は諦めずにフォアプレスを掛けて、最終的に右サイドへと追い込んだ。
すると潰れたところに走り込んできたのは、前半で連係があまり良くなかったモントリーボ。本田の意図を理解して、ヘルプに入る。ゴールをきっかけにした、選手間の関係の向上が感じられるプレイだった。
ここまで12試合が経過。イタリアサッカーやチーム自体への適応はスムーズに進まず、これでやっとスタートラインに立てたという感じかもしれない。だがこの3試合の流れで、パフォーマンスには確実に継続性が出て、ついにゴールへと結実した。課題もまだあるが、カターニア戦以降は、さらなるブレイクが期待出来そうだ。
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