「自分はどの時間帯から入ってもいつも通りやれればいい」
5月12日の最終登録メンバー23人発表までは1ヶ月しかない。彼がその枠に滑り込むためにも、凄まじい追い上げが求められる。ゴールという結果を残すことがその早道だということを、本人もよく理解している。
「ここに来て技術がうまくなるわけではないし、自分にできることこの合宿中もそうだけど、全力を出して自分のプレーをするだけだ。チームに帰っても時間はありますし、一戦一戦、結果を出すことがそこにつながってくると感じているので、それをやり続けられればいいかなと思います。
もちろんW杯は諦めていませんし、発表の日まで自分のやれることをやるだけですね」と彼は自分に言い聞かせるように平常心を強調した。
南野が本当に選出されるとしたら、齋藤学や豊田と同じジョーカー枠だろう。後半途中から出て流れを変えられる選手がザックジャパンには確かに足りない。ドリブル突破もシュートもチャンスメークも全てできる南野なら、いろんな起用法が考えられるはずだ。
「自分はどの時間帯から入ってもいつも通りやれればいいかなとだけ考えています。与えられた時間と与えられたポジションで100%やることが大事なんで」と語るように、本人も何を求められているかを自覚しているようだ。
若い選手というのは、ちょっとしたきっかけで大化けする可能性を秘めている。この1ヶ月で南野が劇的な変化を遂げることも十分あり得るのだ。千葉合宿最終日の流通経済大との練習試合がその一歩になれば、今後の展開が楽しみになってくる。彼には10代パワーでザックジャパンの流れを大きく変えてほしいものだ。
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