「本田との連携? ほとんどなかった」
6日のFC東京戦で今季5ゴール目を挙げ、大久保嘉人と並んでJ1得点ランキングトップに立った豊田陽平。「得点の感覚的なものは研ぎ澄まされていると思いますし、これをしっかり継続していかないといけない」と本人も今季の好調ぶりに自信をのぞかせた。
この大型ストライカーがW杯に挑む日本代表メンバー23人正式発表前最後の千葉合宿(4月7~9日)に招集されたのは、ある意味、当然のなりゆきだった。
「5月12日(の発表日に)しっかり選んでいただけるように短時間の合宿でアピールしていくしかない。悔いの残らないように最善を尽くしてやりたいと思います」と彼自身も特別な意欲を持ってチームに合流した。
豊田がザックジャパンに初招集されたのは昨年7月の東アジアカップだった。第2戦・オーストラリア戦で国際Aマッチデビューを飾り、最終戦・韓国戦では終了間際に相手の決定的な一撃をヘディングではじき返して優勝に大きく貢献。
続く8月のウルグアイ戦にも続けて呼ばれた。2008年北京五輪をともに戦った本田圭佑や香川真司、岡崎慎司らと久しぶりに再会し、豊田としてはかつての連携を活かして自分の長所を出せると思ったに違いない。しかし後半19分から出場した彼が直面したのは「思った時にボールが来ない」という現実だった。
「本田との連携? ほとんどなかった。東アジアの時はJリーグの選手が多かったので、ある程度、自分の特徴を分かってもらえたと思うけど、海外組中心だと自分のよさを出しにくい。
僕がずっと出て信頼感を得ない限り、(パスを)出しにくいのかなと思う。自分は一番前でポジションを取っているから、ゴールに絡む仕事をするために、ボールを出してもらうなり、おとりになるなりしなければいけない。コミュニケーションや信頼感を得ていかないといけないと改めて感じた」と豊田は落胆を露わにした。
とりわけ、星稜高校時代から何度も同じピッチに立ってきた1つ年下の後輩との距離が遠く離れてしまったことが、大きなショックだったようだ。