インテルに何が足りないのか?
こういう傾向をインテルは、その後も引きずってしまった。勝ち点3が欲しいマッツァーリ監督は精彩を欠いたダンブロージオを下げてコバチッチを投入。長友を右アウトサイドに回し、なんとアルバレスに左をやらせるという奇策に出た。実際それで中盤の支配力を高めたインテルは一方的に相手を畳み掛け、エルナネスのパスからイカルディが2点目を決めた。
しかし後半28分、クリストドロポウロスの放ったなんでもない左アーリークロスをサムエルが中央で競り損ない、するとボールがこぼれたところにロランドが足を滑らせ、コネに決められるという不運。
超攻撃的な布陣を取りながらもカウンターへのケアも出来、圧倒的にボールを支配していたはずなのに点を取られる。今季初めてPKをゲットすればミリートが失敗と、インテルには最後まで運がなかった。
そこから先の“ツキ”を呼び寄せるために、彼らには何が足りないのか。練習で突き詰められるところは、やっているというのは伝わる。マッツァーリ監督は試合後「これ以上は出来ない。なぜこれだけの不運に見舞われるのか、論理的に説明がつかない」とまで語っていた。そこから先は、選手の成長待ちという状態なのかもしれない。
「本当に難しくて、サッカーというものの奥深さを今学ばせてもらっているなという感覚」と長友は語っていた。練習から積み上げたパフォーマンスを実行しつつ、ネガティブなエピソードを跳ね返す狡猾さをチームとして、選手個人としてどう養うのか。シーズン残り僅かになったが、彼らがどんな回答を出すのかに期待して見守りたい。
【了】