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大低迷のマンU、復活のための補強戦略を読む。170億円もの投資先と香川の未来は?

text by 海老沢純一 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

香川は残留か。“スコールズの後継者”トニ・クロースも狙う

 冬の移籍市場でも獲得に動いたトニ・クロースは、バイエルンに高額のサラリーを要求して契約延長交渉が難航中。バイエルンが設定している移籍金と、クロースが要求する週給を満額提示すれば獲得出来る可能性は高い。

 世界でも屈指のプレーメーカーであるクロースを獲得出来れば、長年の課題だったポール・スコールズの後継者を手に入れることが出来る。クロースの獲得は、来シーズンに向けた戦力補強の最優先事項と言えるだろう。

 香川真司のいる中盤2列目は、大幅な入れ替わりの必要はないだろう。モイーズ監督が使いこなせているかは別として、人材は揃っている。

 ドルトムントのマルコ・ロイスにオファーを出すことが有力視されているが、市場価格も3500万ポンド(約60億円)と高額。さらに、バイエルン移籍を蹴ってまでユース時代を過ごしたドルトムントへの復帰を選んだロイス自身がユナイテッド移籍を望む可能性は低いだろう。

 もう1人、興味が伝えられているのはフィオレンティーナのコロンビア代表フアン・クアドラード。驚異的なスピードと積極的なドリブルが持ち味の右ウイングで、獲得は現実的だ。

 ナニの放出が既定路線で、アントニオ・バレンシアも2015年夏までの契約となっているため、放出の可能性は十分にある。クアドラードならば、この2人よりもスケールアップした補強となるだろう。

 香川については、個人的には移籍するのがベストと考えているが、現実的には残留が濃厚だろう。古巣ドルトムントやインテル、ベシクタシュが獲得に興味を持っているとのことだが、ユナイテッドは獲得した際の1200万ポンド(約15億円)以下で売るつもりはない。

 W杯でベスト11に選出されるほどの活躍を見せなければ、それほどの金額を現在の香川に支払うクラブはないだろう。レンタル移籍であれば可能性はあるが、いずれにしてもスポンサーの問題が付きまとってくる。香川の加入後、相次いで日本企業とスポンサー契約を結んでいることを考えても、ユナイテッドに放出の意志はないはずだ。

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