スタイルは「堅守速攻」。ザック監督とは対照的だが…
その後はレアル・サラゴサの監督に就任するも、降格圏から抜け出せず1年も持たずに解任。12年11月からはエスパニョールの監督に就任。今シーズンは31節終了時点で8位と健闘している。
アギーレ監督の得意とするのは「堅守速攻」。全体をコンパクトに保つことでハイプレスをかけ、素早いカウンターで得点を狙うスタイルだ。Jリーグで言えば、手倉森監督が指揮していた昨季までのベガルタ仙台や、昨季前半の大宮アルディージャ、現在のアルビレックス新潟に近い。
だた、アギーレ監督のチームは、守備の面では相手に対して危険なタックルも厭わないほどの圧力をかけることで知られている。
すなわち、アルベルト・ザッケローニ監督とは対照的なスタイルと言えるだろう。実を結んでいるかは別として、この4年間でパスサッカーを標榜し実践してきた日本代表にとって、アギーレ監督はベストな人材なのだろうか?
個人的にはラフプレーは嫌いだが、前述した仙台、大宮、新潟などのアグレッシブなプレースタイルは好きだ。そして、日本はショートカウンターが最も向いていると考えているため、アギーレ監督は適任だと思う。
しかし、それはJFA(日本サッカー協会)がショートパスとポゼッションのサッカーを諦めたということになり、ザッケローニ監督は失敗だったと認めることになる。
思えば、手倉森監督はリオ五輪を目指すU-21代表監督に招聘されていた。そして、このアギーレ監督へのアプローチが事実だとすれば、JFAは日本代表の目指すべきプレースタイルをポゼッションからショートカウンターに切り替えたという結論になるが、果たして…。
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