南アW杯「最悪の監督」? メキシコ国内で巻き起こった黒い噂
09年4月16日にはメキシコ代表監督に2度目の就任。ゴールドカップのグループステージ第2戦パナマ戦では、後半35分にタッチライン際でプレーするパナマの選手に蹴りを食らわせて退席処分。3試合の出場停止処分を科されるもチームは優勝を果たした。
監督として2度目となる10年W杯南アフリカ大会では、南アフリカ、ウルグアイ、フランスと同組となり2位で決勝Tに進出。ベスト16でアルゼンチンに敗れると、メキシコ国内で批判が殺到。
大会前には、バルセロナでトップデビューを果たしたジョナタン・ドス・サントスを最終メンバーから外し、34歳のジーニャを選出。
大会が始まるとチバスで21得点を挙げてマンチェスター・ユナイテッドへの移籍が決定していたハビエル・エルナンデスをベンチ要員に。代わりに所属チームの無かったギジェルモ・フランコを先発に据えた。
また、アンドレス・グアルダードやハブロ・バレラもベンチに置き、GKにはレギュラーと見なされていたギジェルモ・オチョアを起用せず、37歳のオスカル・ペレスを全試合で起用。
そして、ベスト16のアルゼンチン戦では若手CBのエクトル・モレノを先発から外し、本来右SBのリカルド・オソリオをCBで起用。案の定、2失点目につながる大きなミスを犯した。
さらに、毎試合キャプテンを変えるといった不可解な采配をしたことで、メキシコ国内では論争にまで発展。2つの大手テレビ局「Televisa」と「TV Azteca」の圧力によって先発メンバーをきめていたのではないか?という疑いを持たれた。
戦術面を担当していたはずのアシスタントのマリオ・カリージョについて、はっきりとした役割の説明がなかったことも問題となった。また、アギーレ監督はW杯期間中にプレミアリーグの監督への就任希望を表明したが、正式なオファーは一つもなかったという。
このような騒動から、ESPNの司会者ホセ・ラモン・ディアス氏は「フランス代表のレイモン・ドメネク監督に次いで、今大会で最悪の監督だ」と非難した。