4戦4勝。“バイエルンキラー”香川の存在
王者バイエルンに不安がないわけではない。29日のホッフェンハイム戦では、先発したチアゴ・アルカンタラが、右膝靭帯を部分断裂。シーズン序盤の負傷からの復帰後はチームの“心臓”とも言える活躍を見せていただけに、チアゴの欠場はグアルディオラ監督だけでなく、ファンも落胆しているだろう。
しかし、ユナイテッドにとっては二つの意味で朗報だ。戦力的なことはもちろん、獲得を目指しながら争奪戦で敗れたチアゴだけに、出場して活躍されれば、非難の材料が更に増えていたことが予想された。モイーズ監督に加え、移籍市場での経験不足を批判されたエド・ウッドワードCEOも胸を撫で下ろしているところだろう。
そして、バイエルンと戦う上で欠かせないのは香川真司の存在だ。ロビン・ファン・ペルシー不在の今、ウェイン・ルーニーと最も信頼関係を築けており、相手にとって危険な存在となれるのは香川だ。
ヴィラ戦で見せたルーニーへアシストと、PKを誘発したフアン・マタへの芸術的なスルーパスは、さすがのデイビット・モイーズ監督も感嘆したはずだ。
さらに、ドルトムント時代にはバイエルン相手に出場した4戦で4勝。11-12シーズンのDFBポカール決勝では開始3分に先制ゴールを挙げるなど良いイメージを持っているはず。
とはいえ、今シーズンのバイエルンはペップ・グアルディオラ監督のもと、完全無欠の強さを誇っている。ブンデスリーガでは25日のヘルタ戦で早々に連覇を決め、先日のホッフェンハイム戦ではマヌエル・ノイアーやダビド・アラバ、トーマス・ミュラーら数人の主力を先発から外してユナイテッド戦に備えた。
果たして香川は通用するのか。ドルトムントは香川を“活かす”スタイルだった。ユナイテッドが調子を取り戻した香川をどう活かすかが、鍵を握ると言っていいだろう。
【了】
関連リンク
マンチェスター・ユナイテッドクロニクル
お金がなくても強いチーム、お金があっても弱いチーム
ペップ・バイエルンに死角なし