ノイアーの笑みが表すもの
そして、11-12シーズンのドイツ・カップ決勝で1ゴール1アシストと八面六臂の活躍を見せてバイエルンを沈めるなど、かつてドルトムントの一員としてあれだけ現ドイツ王者を苦しめた香川真司の名も、メディアを通しては見受けられない。
時代は移り、香川がいた頃とはバイエルンも変わったということだろうか。両誌の姿勢に、CL準々決勝のマンチェスター・U戦に対する絶対的な自信が見受けられる。
Kicker誌は一面にラーム、リベリー、マルティネスの3人が抱きつくノイアーの不適な笑みとともに、「Unsere Rekord Saison(我々の記録的なシーズン)」という文字を持ってきた。
そして、その「我々」とはバイエルンの面々も含めてドイツサッカー全体を表してもいるようである。つまりノイアーの笑みは、ドイツサッカーの欧州に対する自信と取れなくもない。
しかしそんな状況にあっても、もちろんドイツ国内にアンチ・バイエルンは存在する。3月29日、ブンデスリーガ第28節、ミュンヘンに乗り込んだホッフェンハイムは果敢に牙を剥いた。
23分に裏へと抜け出したモデストが先制弾を叩き込む。対するバイエルンは31分ピサーロ、34分シャキリ、40分ピサーロと前半のうちに3発打ち込み返す。しかしホッフェンハイムも食い下がった。
前半終了間際にはサリホビッチが1点を奪い返すと、75分にはフィルミーノが同点弾を叩き込む。ホッフェンハイムは、ドイツ王者を相手にしてドローへと持ち込んだ。
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