監督交代でも再度のポジション奪取
そして評価が分かれたのは、酒井のエリアへの対応の仕方にあったのだろう。「4」としたKickerは、スピードのあるエリアに1対1で突破を許さなかったとして、6段階評価での「4」とやや低評価とした。「5」としたBildは、1対1でエリアに失点へと繋がったディ・サントへ浮き球のパスを放り込ませてしまったとして、「5」と厳しい評価とした。
もちろんディフェンスは1人でやるものではないので、酒井とエリアの1対1の状況を作らせてしまったハノーファー全体の問題ではあるのだが、KickerとBildの酒井への個人採点の根拠は、そういったところにあったのではないだろうか。
結局チームは1-2のスコアで敗戦を喫し、順位は13位となった。降格圏も顔を覗かせ始めている。ハノーファーにとっては全く余談の許されない状況だが、そういった中にあって酒井が成長を続けているのもまた事実だ。
開幕の頃に比べて、ブレーメン戦を通しても見られた、攻守に渡っての安定感は増してきている。そして何より、監督の交代劇と、それに伴ってポジションを失いながら、また短期間の内に先発の座を奪い返している。
ハノーファーはブレーメンに敗れはしたが、酒井の先発はこの先も続くだろう。そして今シーズンが終われば、苦しい戦いの日々は、そのまま成長を続けた一途となるに違いない。
【了】
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