セードルフ監督の意図が実ったアシスト
そしてキエーボ戦では、本田は前半からその両方を精力的にこなした。守備では2ボランチと同じ高さまで戻り、4-4-1-1のブロックの形成に参与する。対面にいるWBドラメには高い位置からプレッシャーを掛け、スピードに乗せない。
サイドでボネーラをサポートするだけではなく、中央に絞ってデ・ヨングやムンタリもフォロー。23分には相手のボランチであるヘテマイからボールを奪い、25分にもまた別の選手にプレスへ行っている。
こういったチームプレーをこなしているうちに、自分の有するクオリティも自然に発揮されるようになる。ここがフィオレンティーナ戦との違いだった。それはずばり、27分のアシスト。
仲間が左で形を作っていたさなか、右にすっとポジションを取ってデ・ヨングからパスを貰う。右斜めの位置からゴール方向へ視野を取りカカーの位置を把握、繊細なタッチで左足のクロスを通し、得点を演出した。
右サイドで逆足を使い、アングルを取ってチャンスメーク。「右での起用は、本田の得意なプレーゾーンを保証するためでもある」とセードルフは語っていたが、構想にあったのはきっとこういうプレーだったに違いない。
38分のシュートも、カウンターから右のオープンスペースへ飛び出し、ゴール前へと詰めて逆サイドからボールを呼び込んだ戦術通りの動きだ。肝心のフィニッシュは残念な結果に終わってしまったが、バロテッリのラストパスはハーフバウンドで変化しており、見た目ほど処理は簡単でなかったはずである。
【次ページ】カカーはセカンドトップ。では本田は?