守備陣は飛車角落ち状態だった
3月5日の国際Aマッチで、日本とW杯で同組のギリシャが韓国に0-2で敗れた。その試合に大挙して訪れた日本メディアに対し、洪明甫(ホン・ミョンボ)監督が「日本はギリシャに勝てる可能性がある」と発言し、Jリーグで長くプレーするボランチ・韓国栄(ハン・グギョン)も「ブラジルでは日本が勝てると思う」と太鼓判を押した。これにより「ギリシャからは勝ち点3獲得が必須」と見る楽観論も出てきている。
だが、その試合に韓国代表フィジカルコーチとして帯同した池田誠剛氏は「本番はそこまで甘くない」と慎重論を口にする。
「あの試合で、韓国は朴主永(パク・チュヨン)と孫興民(ソン・フンミン)のゴールで2-0で勝ちました。ただ、私が聞いていたのは、ギリシャのゴールマウスを守っていた選手(グリコス)が第3GKで、センターバックの2人(アブラハム・パパドブロスとマノラス)が控えメンバーだったということ。
堅守速攻のギリシャのGKとDF2人がベストメンバーでないのなら、守備力が下がるのも無理はない。あの試合のギリシャの守備はあまり参考にならないのではないかと思います」
確かに本来のギリシャは、GKカルジネスがファーストチョイスで、センターバックはパパスタソプーロスとシオヴァスがレギュラーとしてW杯欧州予選を戦っていた。その3人が欠場したのは見逃せない点だ。池田氏が指摘するように、韓国が2-0で勝利したギリシャは「別物」と考えた方がよさそうだ。