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1試合平均719本・成功率88.8%、機械のようなパス回し。データが示したバイエルンの圧倒的な支配力

text by 本田千尋 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

王者を倒す可能性があるチームは…

1試合平均719本・成功率88.8%、機械のようなパス回し。データが示したバイエルンの圧倒的な支配力
バイエルンの常日頃の圧倒的な強さを目にし続けると、いささか物足りなく目に映るのも事実【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 最後にタックル。Kicker誌には「バイエルンの選手はスライディングタックルを頻繁に行っている割には成功していない:80%しかボール保持に結びついておらず、リーガの中で平均的な数値である」と記してある。

 平均的な数値であれば問題はないはずだが、バイエルンの常日頃の圧倒的な強さを目にし続けると、いささか物足りなく目に映るのも事実だ。強引かもしれないが、バイエルンの選手たちはスライディングタックルが不得手と捉えることもできるかもしれない。

 Kicker誌が示した4項目はデータとしてはごく限られたものだが、おぼろげながらバイエルン攻略法のようなものも見えてくる。つまりバイエルンの面々がスライディングタックルを繰り出し続けなければならない状況に追い込めば、ドイツ王者を倒せる可能性が少しではあるが顔を覗かせる。

 しかしそうした状況へと追いつめるためには、「ボールコンタクト」、「パス」においてバイエルン以上、もしくは同等の数値を示すことが出来る、つまりバイエルンを「支配」することの出来るチームである必要がある。

 あくまでこのデータのみをもとにした考えだが、ドイツ王者打倒の可能性を持つチームは、ペップの遺伝子が残るFCバルセロナになるだろうか。依然としてクラシコでレアル・マドリーを退けるだけの力は兼ね備えている。

 しかしブンデスリーガに限れば、どうやらペップ・バイエルンは無敗のまま今シーズンを終えることになりそうである。

【了】

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