献身性がようやく実った理由
後半になり、相手の動きが雑になってくれば、自分のところでボールも取れるようになって来る。しっかりと緊密にゾーンを保っているので、相手が苦し紛れに出したパスが引っかかる。試合中に成功させた4度のインターセプトは、まさにそういうものだった。
そしてチャンスには、縦を意識し前に出た。バロテッリの直接FKに繋がったファウルゲットも、前線に飛び出しパスを呼び込んだことから可能となったもの。ラストパス自体は必ずしも正確ではなかったが、中盤から縦にボールを運んでカウンターの起点となるプレーも、相手の攻撃の流れを切る上で有効に作用した。
守備を疎かにせず、攻撃に臆病になることもなく、勤勉に90分間を走破。終盤に運動量が落ちる様子もなかったので、コンディション自体も上がってきているのだろう。フォア・ザ・チームを念頭に置いた、好感の持てるプレーだった。
本田自身が高い献身性を見せていたのは、この試合が初めてではない。サンプドリア戦にウディネーゼ戦、そしてラツィオ戦と、守備面でも期待に応えようという姿勢があったのは見て取れた。フィオレンティーナ戦のパフォーマンスは、それがようやく体に馴染み始めたということを示しているのかもしれない。
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