アーノルド監督は過去の成功体験を捨てられるか
ただ、そうなるとよりポゼッションを高めるために今シーズン補強した八反田康平、武井択也、鈴木規郎らが生きない可能性がある。思い切ってそうした選手を生かす形に変えて、ポゼッションを高め攻撃のテンポアップを図るのも一つの手だろう。
分かりやすく変化のメッセージが伝わって意思統一ができ、短期的に効果を上げられる方法なら何でも良い。今シーズンはワールドカップによる中断が入るので、チームの根本からの修正はその時にやるしかないだろう。
かつて仙台では2004年ベルデニック監督、2005年都並敏史監督が開幕直後極度の不振に陥ったことがあった。両監督とも自らが開幕前に掲げた理想をかなぐり捨て、戦術をシンプルにしてチーム状態を上向かせた。アーノルド監督にもオーストラリアでの成功体験をかなぐり捨て、今の仙台に合った指導でチーム状態を上向かせることが求められる。
まずは29日の甲府戦、そして4月2日ヤマザキナビスコカップFC東京戦がホーム2連戦となるので、そこでチームの変化を仙台サポーターの前で何としてでも見せたい。角田誠とウイルソンの復帰が見込まれるこの2試合で2連勝できなければ、サポーターの信頼を回復することは難しくなる。仙台がここから這い上がれるか、残留争いに巻き込まれるかはこの1週間にかかっている。
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原稿提供:サッカーを読む! Jマガ