公式戦5戦で1得点12失点、攻守に課題山積
仙台は今、苦境の中にある。
公式戦5戦を終えて、勝ち無し。1得点12失点。得点力不足に守備崩壊。攻守に課題が山積している状態だ。リーグ戦第3節G大阪戦で相手をシュート1本に抑え0-0での引き分け。
得点は奪えなかったものの多くのチャンスを作ったことからチームは上向くかに見えたが、ヤマザキナビスコカップ清水戦で0-4の大敗。さらに中3日で向かえた第4節大宮戦でも0-4の大敗。
開幕戦で角田誠が負傷。清水戦と大宮戦は共にアウェイで、エースFWウイルソンも負傷離脱。さらに降雪の影響で練習メニューを大幅変更せざるを得なかったなど不運が重なったことも不振の理由の一つではある。しかし2試合連続大敗を喫している状況を見ると、チームづくりがうまく進んでいないと言わざるを得ない。
ポゼッションを高め、DFラインからFWまでをコンパクトにして、ゴールを目指すというアーノルド監督の展開するサッカーの全体像は決して悪くない。しかしそうしたサッカーを目指す上でアーノルド監督の練習における意識づけが、仙台にフィットしていない。
手倉森前監督とアーノルド監督は練習スタイルに大きな違いがある。手倉森前監督は、基本的に練習の最後にミニゲームや紅白戦を入れ、ゲームから逆算した形で体系的な練習メニューを組む。試合2日前の紅白戦の前にほぼ必ず行っていたのは、DFラインのビルドアップからシュートまで持っていく練習だ。
守備陣も攻撃陣も、どういう道筋でゴールを奪うのか意思統一を図るため、反復練習を繰り返した。スカウティングを基にして対戦相手によって狙うスペースも変わっていた。こうした練習の積み重ねにより昨シーズンまでの仙台において選手が同じ絵を描きゴールに向かえた。守備陣の的確なフィードからゴールにつながった場面が数多かったのもこのためだ。