「最も重要なのは、個人個人に合ったケアが出来るかどうか」
韓国が2012年ロンドン五輪で銅メダルを獲得した際も、エースFW朴主永(パク・チュヨン)が当時所属していたアーセナルで1シーズン公式戦から遠ざかるという苦境に直面したことがあった。
池田氏は彼のコンディションをいち早く見極め、チーム全体合宿がスタートする10日以上前に彼を伴って帰国し、旧知の城福浩監督が指揮を執るヴァンフォーレ甲府の練習に参加させるという対応を取った。
「事前にテコ入れしておかないと、全体練習からやらせても間に合わないと思った」と池田氏は述懐している。朴主永が大会後半に復調し、日本との3位決定戦でゴールを奪ったのも、こうした事前準備が功を奏したからだ。
仮に、香川や吉田が現在の苦境を打開できないままシーズンを終えることになった場合には、5月11日のリーグ戦終了後、代表スタッフが彼らを招集して特別トレーニングを施し、コンディションを上げていくような試みも求められるかもしれない。
「W杯前の代表チームのコンディションを考えるうえで最も重要なのは、個人個人に合ったケアが出来るかどうか。それを直前の1ヶ月間できちんとできれば、本番をベストな状態で迎えることは可能だと思います」と池田氏は改めて語っていた。
ザック監督とアルバレッラフィジカルコーチ、早川直樹トレーナーらスタッフ、協会関係者がそれだけ万全な態勢を取れるかどうか…。そこがブラジルでの成否を大きく左右するだけに、慎重に動向を見守りたい。
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