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ブンデス日本人選手、第26節現地採点を振り返る。ヘルタに欠かせない細貝の闘争心

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada

ボランチとして攻守に求められること

 ヘルタは相手の最終ラインからボランチにボールが入るところを、丁寧にケアした。細貝もボルシアMGのダブルボランチ、ヤンチュケとクラマーに対してプレッシングを掛け、粘り強く対応する。

 一方で懸念事項も顔を覗かせ始めていた。生粋のテクニシャンであるFWラファエルが、両ボランチ陣が攻防を続ける中盤に降りてきていた。

「本来、相手のトップにいる選手が引いてきたときに、CBの選手がある程度付いてきてくれないと困るんですけど、逆に後ろのCBからすれば付いていけないから、パスコースを消してくれって言われましたけど」

 ラファエルへのパスコースを消しながらディフェンス陣の要求に応えていると、前線の選手からも声が上がった。

「ロニーは前に来てくれって言っていたし、後ろは出て行けないから下がれって、ブロックを作ってくれって言われていたんです。前と後ろの言っていることが多少違う中で、どうにかそれを、ボランチの選手としてしっかりやらなきゃいけなかったと思います」

 前線から降りてくるボルシアMGのアタッカー陣への対応に苦慮しながらも、細貝は攻撃参加を求める声にも応えなければならなかった。それがボランチというポジションに求められる役割と言ってしまえばそれまでだが、圧倒的な破壊力を秘めた今日の相手に対しては、少し荷が重かったかもしれない。ヘルタの牙城は少しずつ削られていく。

 そして28分のことだった。後方からのロングボールに左サイドを飛び出したヘアマンが、中央へと折り返す。流れたボールに、右サイドからアランゴが走り込む。振り抜かれた左足は、ボールをゴールへと突き刺した。

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