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無観客の埼スタに表示された「SPORTS FOR PEACE!」に込められた想いとは?

text by 編集部

「SPORTS FOR PEACE!」とは?

 これは国連関連機関である「国連の友アジア-パシフイック」と浦和レッズが、2010年に提携したことで始まったプロジェクトだ。サッカー普及のチームであるハートフルクラブがアジアの各地を訪問し、20カ国で約5000人の子供達とサッカーを通して触れ合ってきた。

 また2011年の東日本大震災をきっかけに被災地支援も実施。こちらは各地を回るのではなく同じ場所を繰り返し訪れ、子供達の心をケアしてきた。

 そして、2014年からは新たに「安全なスタジアムづくり」というプロジェクトもスタートさせた。4年前から行っている「重点禁止6項目」を「SPORTS FOR PEACE!」に組み込むことになった。この重点禁止6項目には、差別的発言・行為も含まれている。

 差別に対して4年前から取り組んでいただけに、今回このような事態に直面していることは残念ではある。しかし選手も口々に話したように、今回の事態を再出発のきっかけと捉えれば、浦和がこれからやろうとしていることも意味を持つはずだ。

 差別撲滅に向けて、クラブはFIFAの決議を最大限尊重し、選手やスタッフにも個別で宣誓書を書いてもらっている。またそれらを広く告知し、可能であればサポーターにも宣誓書に署名してもらいたいという意向を示した。

 今回の一件は、浦和に大きなダメージを与えた。果たして浦和は変わることができるのか。そして、他のクラブもこれを対岸の火事と捉えてはいけない。Jリーグが一丸となってこの問題に向き合う必要がある。

【了】

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