挑発するモウリーニョ
そんな中、ブラン監督はチェルシーについて冷静に語る。
「選手、監督ともにCL優勝経験のある手強いチームではあるが、自分たちより上だとも下だとも思っていない」
名前こそ挙げなかったが、本当に避けたかった相手は別にあったことも示唆した。ブランはモウリーニョとは縁がある。バルセロナに所属していた96-97シーズン、ポルトガルの名将はボビー・ブラウン監督のアシスタントコーチだった。
「サッカーが大好きで、非常に頭の良い人だ。複数の言語を操るため、多国籍軍のチームでは、ロッカールームでのコミュニケーションは彼が担っていて、まるで監督のようだった」と当時を振り返る。
一方のモウリーニョは、「我々と対戦できることを、彼らも喜んでいることだろう。どのクラブもチェルシーとやりたがっているのだから」と相変わらず大胆不敵だ。
「PSGのようなトップチームと戦うことは、経験値を養う上でも有意義だ。とくに若手選手の成長のためにはね」
とやや上から目線のコメントも彼ならでは。
「しかし有利なのは第2レグを戦う方だ。同点で延長になった場合、そこでの得点が即2倍計算になるのだから」と挑発的なコメントも付け加えた。
昨年の準々決勝では、バルセロナに2戦ともドローながら(総計3-3)、アウェイゴールの差だけで敗退を喫したPSG。今季、2年前の優勝チームと、二度の優勝経験を誇る知将を相手にどのような闘いを挑むのか。
新生PSGの現在地を知る、格好の一戦になるだろう。
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