「海外組は本当にうまいし、全然違う。スピードも違う」
こうした姿勢を指揮官も評価。5月のアゼルバイジャン戦のメンバーにも引き続き、招集した。
「高橋は非常にコンディションがよく、Jリーグをやっている選手の中でもトップクラスでコンディションがいい。彼の能力はバランス感覚と戦術眼に優れていて、ピッチの大きなエリアをカバーできるところ。フィジカルも持っている。まだ若い選手だが、私は非常に気に入っている」と報道陣の前で絶賛したことから、高橋は「ザックの恋人」と言われ、遠藤の後継者候補筆頭に躍り出ることになった。
その高橋はアゼルバイジャン戦の後半から出場。待望のA代表デビューを飾った。この試合は右ひざ半月板損傷で約10ヶ月間代表から遠ざかっていた本田の復帰戦。しかもその大黒柱が南アW杯から背負っていた背番号を18から4へと変更したゲームということで、世間の関心はいやがおうにも高まった。
高橋は長谷部誠と交代し、同じ群馬出身で1つ年上の細貝萌とボランチを組んだ。この日は遠藤も不在で中盤の構成力はやや物足りなさも感じられたが、エース復活がチーム全体に活力をもたらし、香川真司と岡崎慎司のゴールで2-0と快勝した。
「海外組は本当にうまいし、全然違う。スピードも違うし、相手の裏を取ってからのボールの受け方とか、プレーの選択肢の多さ、途中で判断を変えられるといったところが本当にすごい。
こうじゃないと世界でやっていけないからこそ、それを意図的にやっている。自分との差をすごく感じました。Jの場合は『みんなで組織的に』っていう傾向が強いけど、世界ではより個人でやる部分が大きい。それも強く思いましたね。
後半から出たけど、自分らしさも出せなかったし、いろんなところでもっと突きつめて行かないといけないと痛感しました。それでも出られたことを前向きに捉えて、クラブに戻ってもこの経験をつねに頭に入れながら、個人として成長できるようにしていきたいと思います」