「最近Jリーグにやってくるブラジル人の姿勢は以前と比べて謙虚」
ブラジル経済の好景気に支えられ、国内サッカー市場は活況を呈している。ロナウジーニョ(アトレチコ・ミネイロ)、アレシャンドレ・パト(コリンチャンス)らがヨーロッパから戻り、クラレンス・セードルフ(ボタファゴ)、ディエゴ・フォルラン(インテルナシオナル)といった世界的なビッグネームがやって来るほどだ。
自国で充分な報酬が得られるのであれば、欧州に移籍して不慣れな環境に身を置く必要はないと考える選手も少なくない。
「変化をもたらした最大の要因は、欧州や日本で活躍した成功者たち。ヨーロッパで高度な戦術に揉まれ、それに適応できた選手はパフォーマンスが向上し、報酬も格段に上がっている。ブラジルの若者はその姿を目の当たりにし、成功のモデルケースとしているんです。
ブラジルの伝統的なサッカーに強いプライドを持ちつつ、それだけをやっていても進歩がないぞと。だから、最近Jリーグにやってくるブラジル人の姿勢は以前と比べて謙虚なものに変わっている。異国のサッカーに適応しよう、吸収して自身の成長に繋げようとする意識が強い」
そうして成功を収めた選手が母国に帰り、経験を広く受け渡していく。それを糧に次世代の選手が育ち、国内外で活躍する。近年のブラジルにはそういった好循環が生まれている。
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