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連覇の確率は70%、3つの要素で読む王者の戦術。スペイン代表が仕掛ける“二重の嘘”とは?

text by 小澤一郎 photo by Getty Images

CFより偽9番をおいた方がいい

スペイン代表の基本システム
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人材を多く抱えるCF、右MF の組み合わせによって、戦術の特徴が変化するスペイン代表。

 本大会に向けたスペイン代表のメンバーで「確定組」と言えるのは、GKがカシージャス、ビクトル・バルデス、DFラインはジョルディ・アルバ、セルヒオ・ラモス、ピケ、アルベロア。中盤はブスケッツ、シャビ・アロンソ、シャビ。

 システムは4-2-3-1でダブルボランチが採用されるため、イニエスタは左サイドハーフ。センターフォワードと右サイドハーフでメンバー入りが確定しているのは、セスク、シルバ、ヘスス・ナバス、ビジャあたり。

 CFにはソルダード、ネグレド、ジョレンテ、ジエゴ・コスタといった欧州トップレベルで活躍するストライカーがポジション争いをすることになるが、私はバルセロナの流れを汲み取った「ファルソ・ヌエベ(偽9番)」システムでセスクを置く布陣が現時点でのベスト戦術だと考える。

 理由はシンプルで、バルサの選手がピッチ上に多くいた方がいいサッカーを機能させるまでの時間が短縮されるから。その意味で勝負どころの試合は、前線3トップを左からイニエスタ、セスク、ペドロにするのがベターだろう。

 ただし、デスマルケ(マークを外す動き)に長けクロスに合わせるのがうまい9番タイプのソルダードをCFに置き、彼とセットで右にヘスス・ナバスを使うサイド突破重視の戦術や、同じ偽9番システムでもシルバをCF起用することで中央突破を狙う戦術など、今のスペイン代表は同じシステムでも入る選手によって戦術バリエーションがあり、特に交代選手によって戦術を組み替えることができる。

 また、ネグレド、ヘスス・ナバス、ジョレンテのように国外クラブに移籍したことでチャンピオンズリーグでの経験を積み、個人としてのレベルと競争力を上げた選手が増えており、控え選手の質は前回大会と比べると確実に上がっている。

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