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Jリーグ 11年前

浦和レッズへの無観客試合処分は妥当か? 英国人が見た「JAPANESE ONLY」と日本における差別意識

text by 海老沢純一 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Kenzaburo Matsuoka

「協力する方がいい、相手を受け入れる方がいい」

――「JAPANESE ONLY」は、どんな受け止められ方をしますか?

「間違いなく差別です。『人種差別』かは微妙ですが、文化的か、国籍がどこか、その広い範囲の中では差別的な行動ということは間違いない。日本人が外国へ行って同じ光景を見れば、日本人を特定しなくても同じように嫌な気持ちになるはずです。

 そういうことを許さない社会になった方が皆のためになる。人間は深いところで、内側と外側に分けたがる。どんな国でも、いろんな面で差別することがあります。

 でも、近代的な流れでは、隣の村同士の虐殺もなくなったし、いい町になって、いい国になって、つながりが非常に深くなりました。つながりの範囲が非常に広くなりました。外がどんどん小さくなっています。

 その過程で皆のためになったのではないでしょうか。協力する方がいい、相手を受け入れる方がいい。そういう行動を出来る社会の方が、かなり幸せだと思いますよ」

――なぜ、サッカーのスタジアムでこのような事件が起こるのでしょうか?

「サッカーの場合、非常に本能的なサポートが多い。族みたいになることがありますね。それによって、内と外の分け方が非常に酷になってしまいます。

 本能を抑えることが出来るからこそ、社会は成り立つ。サッカーのいい面は、皆のアイデンティティや絆を強くする面です。でも、あくまでもいい形で、絆でつながっていかなければ逆効果になる。社会のためにならない。

 特に、Jリーグが立ち上がった頃は、スポーツ文化や、もっといい社会を作るためという面で、皆が真剣に取り組んでいたと思います。でも、その材料は人間ですから、もちろん皆の考え方にはズレもあります。

ある段階で、何の行動を受け入れるか、何のルールがあるのかをはっきりしなければならないことは当然だと思います」

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