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跳ね上がる金額、使途不明金、スカパーの撤退。W杯放映権料ビジネスの闇に迫る

text by 藤江直人 photo by Getty Images

きっかけは94年アメリカ大会

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放映権料高騰の切っ掛けとなった94アメリカW杯【写真:Getty Images】

 フランス大会までは各国の国営放送局がW杯を中継するのが慣例で、放映権自体も各大陸の放送連合体が一括して購入。大陸ごとのサッカーの普及度を基準にして、負担金額が決められてきた。

 当時のアジアのサッカー普及度はいま現在ほど高くなく、加盟していたアジア太平洋放送連合に対してNHKが支払う金額も安価で済んだ。

 しかし、サッカー不毛の地とされたアメリカで開催された1994年大会の大成功を受けて、サッカーが「金のなる木」であることが再認識されたのだろう。W杯の放映権はスポリスとキルヒ・メディアという民間企業に買い取られ、2002年大会から各国放送局による競売形式に変更。

 イギリスで産声を上げた有料放送の急速な台頭もあり、放映権料は常軌を逸した数字を刻んでいく。2002年大会において、JCには65億円が提示されている。

 窓口となった2社のうち、前者はアディダスの総帥として、サッカーをはじめとするスポーツ界に多大なる影響を与えた故ホルスト・ダスラー氏の持ち株会社。そして、生前のダスラー氏と電通が1982年に共同で設立したISLは、瞬く間にサッカーをはじめとする世界中のスポーツマーケティングを牛耳る総本山へ成長を遂げている。

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