シドニーの基本線は「契約更新なし」か
では、日本やアメリカという選択肢はどうなのだろうか。このいずれも正直考えにくい。Jリーグ、MLS共に、リーグのレベルとしてはAリーグより(さほどの差は無いと信じたいが)上にあるだろう。
現状よりさらにスピーディーなゲーム展開、切り替えの早さなどよりフィジカルが要求されてくるようになるのに、39歳のデルピエロがどこまで耐えられるのか。あまり良く知らないMLSはともかくとして、正直なところ、Jリーグでチームを引っ張ってプレーをするというデルピエロの絵がはっきりと描けないのが、偽らざる本音だ。
当地の報道が日本に届いているかどうか定かではないので、ここでデルピエロの去就に関して、当地で報じられる最新状況を整理しておこう。
先週14日の時点で、当地の有力メディアグループ・フェアファックス系のメディアが「シドニーFCの経営陣がデルピエロに契約の再更新をオファーしないことを決定」と一斉に報じた。それに対して、20日になってからファリーナ監督が「デルピエロを交えて今後について話をしているのは事実だが、まだ何も決まっていない」と一連の報道を否定した。
ここからは推測だが、このファリーナの言に嘘は無いだろう。間違いなく、デルピエロの去就についての話し合いは持たれていて、そこでは何もまだ最終的決定となっていないが、「契約再更新はなし」という基本線がクラブ側にはあるのでは、というのが筆者の見立て。
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