日本が苦手な局面
前回でやり残した課題、日本スタイルの構築はそれなりに進んでいる。
大雑把にいえばサッカーには4つの局面がある。ポゼッションして攻める、カウンターで攻める、ポゼッションされて守る、カウンターを防ぐ。この4局面すべてに秀でていれば強いチームといえる。
今回の優勝候補でいえばブラジルとドイツがこれに近い。スペインは相手にポゼッションされると持ち味が出にくく、オランダも同じだ。
日本はポゼッションして攻めるのとカウンターを防ぐのは得意で、カウンターアタックも悪くないが、相手にボールを持たれて自陣でのプレーが増えるとミスで自滅する。
ボールを持たれて押し込まれなければ、強豪国とも互角にやれる。コンフェデ杯やオランダ、ベルギー戦で手応えはつかめた。ただ、ポゼッションできる場合でも極端に引かれてしまうと点がとれなくなる。セルビア、ベラルーシ戦がそうだった。
攻め込んだときの選手間の距離が近すぎるのと、攻め直しが遅いのが主な原因だと思う。改善できないわけではない。やはり問題は相手にボールを持たれてしまうケースである。
ただ、前回のように日本が自分のプレーを見失ってしまうことはないだろう。遠藤保仁は中心選手ではあるけれども、彼1人を欠いてもスタイル変更を迫られる事態にはならない。本田圭佑、香川真司を欠いても同じだ。
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