「南アと同じ形にはしたくないし、それをやったら僕らの進歩はないと思う」
ザック監督は再び香川をトップ下に動かす形で後半勝負に出たが、ネイマールの3点目が勢いをそぐ形となる。そして終盤にはカカも追加点を挙げて、スコアは0-4。長友も大きな力の差を認めざるを得なかった。
「彼らのカウンターのスピードと精度は思った以上でしたね。僕らも相手のペナルティエリアくらいまではいい感じで回して運べるんだけど、そこからの相手の守備の質が違った。
あとはペナルティエリア内での相手の冷静さ、スキルの高さっていうのはホントに世界トップレベルだった。僕らがプレッシャーに行っても慌てる選手は誰1人としていないし、つねに冷静な状況判断ができる。これがトップだと改めて思いました。
だからといって引いて守っていたら僕らのサッカーはできない。南アと同じ形にはしたくないし、それをやったら僕らの進歩はないと思う。
ホントの意味での世界の強豪の仲間入りをしていかなきゃいけないと思ってるんで、同じ道を繰り返したくないし、チャレンジしたいです。圭佑とも心の奥底から燃えてくるものがあったという話をした。こういうレベルの相手ともっと試合をしたいですね」
こう言い残してから1年半。長友はひざ負傷に苦しみながらもインテルで成長を遂げてきた。今も「才能は生まれ持ったもんじゃない。自分で作れると思ってる」と言い、フィジカル能力を高めるトレーニングを積み重ねているという。
そんな長友が日本代表を力強くけん引してくれなければ、ブラジルでの勝利はない。彼の高い意識が日本を強く逞しい集団へと進化させるはずだ。
【了】