メンタルの成長がもたらした終盤の劇的勝利
「アシストした場面? シュートは打てたけど、あれはカッサーノから学んだ(笑)。彼はパスをする方が好きで最後のギリギリまで味方を見ている。ダメならシュートを打つ。それをカッサーノから学んだ。
正直、シュートを打とうと思ったけど、ちょっとカッサーノのことが頭をよぎって、彼だったらここでシュートと見せかけて中に合わせるだろうなと。案の定、DFはシュートだと思ってみんな滑った。
今野さんのボールのタイミング、真司が中に入って敵を引きつけるタイミング、そして僕がスペースに走るタイミングの全てが一致した。ベストなタイミングだった」と長友は下剋上に興奮を隠せなかった。
「前半は完全アウェーの雰囲気だったし、相手もかなり来ていたので、正直難しい部分はあった。
前半は少し飲まれた感があったけど、ヨーロッパでやっている選手も多いし、どういう戦い方をして、どういうメンタリティでいると後半落ち着けるかというのは分かっていたから僕自身は心配していなかった。
そういうメンタルの部分が一番成長したと今回、実感できた。自信と過信は紙一重な部分があるけど、過信はしてないし、自分に謙虚にいてなおかつ志もありますから。
もちろん日本の選手は個人個人がもっと成長していく必要があるとは感じますよ。フィジカルの違いやシュート力の差も確かにありました。だけど技術的な部分では負けていなかった。それを確かめられたのはよかった」
ただ、このフランス戦の後、日本の選手たちの間では「前半は引いて守るのが精一杯で自分たちのサッカーができなかった」という危機感が強まった。