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電通が次に仕掛けるアジア戦略。日本サッカー底上げのカギ握る、アジアのスポーツビジネスに迫る

text by 長沢正博 photo by Masahiro Ngasawa , Kazhito Yamada / Kaz Photography

東京オリンピックをアジアのオリンピックに

――2020年の東京オリンピックに向けてどのようなビジョンを描いていますか?

「アジアの人が東京オリンピックをぜひ見に行きたいと思ったり、アジアのオリンピックだと共感を得てくれるかが課題でしょう。

 東京という都市がアジアに対してどういったオリンピックを発信できるか。一人でも多くのアジアの人々にオリンピックの喜びを体験してほしい。先進国でのオリンピックのあるべき形というのを見せたいと思います。
 
 具体的に何をやりたいかと言うと、今から2020年までの6年間で、アジア各国のオリンピック協会と関係を築いて一緒にオリンピックムーブメントを高めていきたいと思っています。

 国によってはメダル1個を取るのが目標と言う場合もあれば、参加することに意義があると思っている場合もある。我々の社内では『ビジョン2020』と言っています。

 アジアでスポーツをどう発展させていくかという点を意識して、国づくりに貢献していきたいです」

――今後のビジネスプランは?

「アジアはスポーツビジネスが伸び盛りです。インドではクリケットが盛んだったりと国によって色んなスポーツがある。これから5年、10年かけて、どういうスポーツが見るべき、やるべきスポーツなのか、ビジネスになるのかというのを国ごとにきっちり整理していきたい。

 アジアのスポーツビジネスはまだブルーオーシャン(未開拓市場)です。アジアの中できちんと整理されたスポーツビジネスを確立させることが一つの目標です。

 サッカーで言えば、アジアの国々にどんどん強くなって欲しいんです。そうすると日本もさらに強くならないといけない。底上げと言うのはまさにそれです。

 アジアのスポーツの発展、底上げにすこしでも寄与していきたいと思っています」

【了】

プロフィール

森村 國仁(もりむら くにひと)
 1971年、福岡県生まれ。1997年カルフォルニア大学ロスアンゼルス校(UCLA)卒業。同年㈱電通入社。プロモーション局を経て、1998年サッカー事業局(当時)異動。以来、2002年日韓サッカーW杯のほか、日本及び世界各地で開催されたメジャースポーツイベントに携わる。2010年にシンガポールにて、電通スポーツアジアを設立、現在に至る。

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