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電通が次に仕掛けるアジア戦略。日本サッカー底上げのカギ握る、アジアのスポーツビジネスに迫る

text by 長沢正博 photo by Masahiro Ngasawa , Kazhito Yamada / Kaz Photography

スポーツを通した国づくりのコンサルティングも

電通が次に仕掛けるアジア戦略。日本サッカー底上げのカギ握る、アジアのスポーツビジネスに迫る
マンチェスター・シティーのヴィンセント・コンパニー【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

――スポーツに協賛することをどう捉えていますか?

「スポーツには有形、無形のベネフィットがあると思います。有形と言うのは、スポーツに協賛することでブランド認知が向上したり、例えばW杯のチケットを活用したキャンペーンで実際に商品が売れるといった点ですね。

 無形の効果もあります。例えば就職ランキングが上がる点です。W杯という国際大会でスポンサーをしているので、学生も一流企業だと思う。

 社内のモチベーションが上がるというのもあります。メーカーの工場で勤務している方とかが、W杯やオリンピックをサポートするような企業で働いているんだと、自分の会社にプライドが持てます」

――具体的な業務内容は?

「大きく分けて二つあります。一つは、電通本社が持つ様々な権利、例えばFIFAのクラブW杯のテレビ放映権などをアジア各国の放送局に売ったり、ソチオリンピックのアジアでの放送権もアジア諸国に売りに行きました。

 また、電通はFINA、国際バレーボール連盟(FIVB)、アジアオリンピック評議会(OCA)ともパートナーですので、契約している大口とのスポンサーシップ、一部PR、放送権の販売を我々が一緒になって動いています。

 もう一つは我々独自のビジネスです。例えば選手のエンドースメント。マンチェスター・シティーのキャプテン・ヴィンセント・コンパニーや、元イタリア代表で2006年のW杯ではチームを優勝に導いたファビオ・カンナバーロのアジアツアーを企画・実行したりと、独自のイベント開発もやっています」

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