「GKからポーンと長いボールを蹴っても100%に近い確率で相手ボールになる」
「そういうレベルの高い相手に、僕らは今まで当たり前にできていたことができなくなった。予想以上に寄せの速さ、足のリーチの長さでボールを失ってしまうことが本当に多かった。もっと精度を上げない世界には勝てないと改めて実感しました。
フランス戦でもそうだったけど、GKからポーンと長いボールを蹴っても100%に近い確率で相手ボールになる。これでは日本のよさが出なくなる。だからゴールキックの時は徹底的に下でつなぐとか、別の方法を考えないといけないと思いました。やっぱり上で勝負はムリ。下でつなぐしかない」と課題を口にした。
その反省を糧に、2013年6月のコンフェデレーションズカップで再びブラジルと激突したが、彼らの組織的なプレスとフィニッシュの精度の高さには磨きがかかっていた。日本は再び3点を奪われて完敗。
今野自身も「個の力を少しでも上げるしかない」と強く決意した。その真価が問われるW杯本大会は3ヶ月後に迫っている。今野も31歳になり、まさにキャリアの集大成といっていい大会だ。この大舞台で彼は自分の限界値を超える戦いに挑戦する。
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