外国籍から外れることが多いスペインの南米選手
スペインのリーガ・エスパニョーラや、フランス・リーグアンのEU圏外選手は、登録・出場ともに3人まで。ただし、両国ともコトヌー協定(アフリカ・カリブ海・太平洋諸国の貧困撲滅などを目的とした国際協定)によって、アフリカ人選手も外国籍選手にカウントされない。
また、スペインでは5年居住すれば市民権を得られる。これによって、二重国籍が可能な南米出身の選手は外国籍枠から外れることが多々ある。ロベルト・カルロスが、レアル・マドリー時代にブラジル代表でありながら市民権を取得し、クラブの外国籍枠の拡大に貢献した。また、マルコス・セナやジエゴ・コスタがブラジル出身ながらスペイン代表となったのも、この市民権のおかげだ。
一方、日本では出生に関する事例以外での二重国籍が認められていないため、日本人選手が欧州で何年間プレーしようとも外国籍枠から外れることはない。
このように、一概に欧州主要リーグといっても外国籍選手枠の扱いはさまざま。規定の緩いドイツに比べて、枠の少ないスペインやフランスへの日本人選手の移籍が少ないのは、リーグのレベルや特性だけでなく、外国籍枠も関係していると言える。
今後、日本人選手の海外移籍情報を追う際には、リーグの外国籍枠やクラブの外国籍選手の数をチェックしてみると、信憑性の高いネタかを判別できる材料となりそうだ。
例えば、昨夏話題となった香川真司のアトレティコ・マドリーへの移籍。同クラブには現在EU圏外の選手が9人いるが、二重国籍などで「外国人枠」となるのは3人。ルール上は問題ないが、香川を獲得するならば誰か一人を放出させる必要がある。
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