自国選手育成のためのルールを整備したイングランドだが…
香川真司、吉田麻也、宮市亮が在籍するイングランド・プレミアリーグの場合は、セリエAと同じくEUとEFTAの加盟国籍選手が外国人扱いされない。そして、外国籍選手に対しては、就労ビザによって制限が加えられている。
この就労ビザのシステムが厄介で、自国代表として過去2年間の国際Aマッチに75%出場していなければビザは発給されない。過去には、宮本恒靖、三都主アレサンドロ、伊藤翔がこの規定をクリア出来ず、クラブと契約に合意しながらも移籍を断念せざるを得なくなってしまった。
ただし、規定に満たない選手でもクラブ側がいかに優秀で将来有望な選手かを審議委員会にアピールすることによって特例で認められるケースもある。代表歴の無い宮市は、フェイエノールトへの期限付き移籍で好パフォーマンスを披露し、特例で認められた。
さらに、ビザさえ発給されれば何人でも外国籍選手を起用できることから、イングランド人選手の成長が頭打ちとなってしまう問題が噴出。その対処として、10-11より「ホーム・グロウン・ルール」を導入。これは、21歳の誕生日を迎えるシーズンまでの3年間にイングランドもしくはウェールズのクラブに在籍した選手を8人以上登録しなければならないルール。
しかし、このルールによってイングランド人の若手選手の移籍金が高騰。さらに、マンチェスターCがスコット・シンクレアを獲得しながら全く起用しないなど、ルールクリアのためだけに選手を獲得するという新たな問題が生じている。
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