国境を越えた移籍を容易にしたボスマン判決
Jリーグは、今シーズンから外国籍選手枠が5人に増えた。新たに提携国枠を設置したのだ。これによって、従来の外国籍枠3人+アジア枠に加えてJリーグがパートナーシップ協定を結ぶタイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシアから1選手を登録出来るようになった。
これは、戦力強化よりもJリーグが推し進める東南アジアへのマーケティング拡大を狙ったものだが、ヴァンフォーレ甲府がインドネシアで絶大な人気を誇るイルファンと契約するなど早くも動きが出ている。
さらに、日本人選手が海外リーグへ移籍する際に障害となり得るのも「外国人枠」。昨今の日本人選手の海外移籍事情にもリンクしてくる欧州各国の外国人枠を改めてチェックしてみよう。
まず、欧州連合(EU)に加盟している国に関しては、もはや国境はないと言っていい。1995年のボスマン判決以降、EU圏内であれば加盟国籍所有者の就労は制限されないというEU労働規約が、プロサッカー選手にも適用された。
近年、日本人選手の移籍が活発になったドイツ・ブンデスリーガ。もちろん、選手たちの活躍が認められたことで移籍の活性化につながったことは事実だが、外国人枠の事情も功を奏していると言っていいだろう。
ブンデスリーガでは、06-07シーズンから外国人枠を撤廃し、代わりに「ドイツ人枠」を設置。これは、「ドイツ国籍を持つ6人」+「クラブの地元で育成された6人」の計12人と契約をしなければならないルール。とはいえ、これさえクリアしていればどの国籍の選手でもチームに加えることが出来る。