「ザスパクサツ群馬」を感じられる場所はない
さて、ザスパ。ザスパは昨年チーム名を「ザスパ草津」から「ザスパクサツ群馬」に変更した。「草津」と付いていながら「前橋」にホームグラウンドを置く矛盾の解消と、群馬を前面に出すことで新たなスポンサーを獲得することが狙いだった。
しかし、2月に行われたサポーターズカンファレンスの議事録には「名称変更による期待したほどの効果はなく、我々もそこまでの活動ができなかった」とクラブ側が認めている。
私は前橋で19年間を過ごした。サッカー好きが高じて、ザスパという存在をサポートすることになったが、全くと言っていいほど街の中には「ザスパクサツ群馬」を感じられる場所はない。すなわち0から1にする環境作りをザスパは怠った。その結果が今の経営状況に繋がっているのだろう。
ザスパは現在募金活動も行っている。いちサポーターとしては、もちろんサッカーファンのみなさんには協力はしていただきたいが、経営状況改善のために打った最初の手が募金というのは順番が違うような気がしてならない。
シャッター街となっている前橋の中心街に店を構えており、シーズン開幕前に2013年シーズンのポスターを張り出していた3店舗のうち2店舗の店主の方にお話を聞いた。すると2人の方からも同じ答えが返ってきた。
「頼まれてるから貼ってるだけだからねぇ」。スタジアムには行かないのですか?という質問に対する答えも一緒だった。「行かないねぇ。弱いし」と苦笑いを浮かべていた。
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