期待したい日本全体への影響
日本では、島国という国土柄か人種差別をすることにもされることにも頓着が無いように感じる。かつてプロ野球では「外国人選手に記録を塗り替えられたくない」ということを選手やコーチ、監督までもが公に口にしていたほどだ。
しかし昨年、東京ヤクルトスワローズのウラディミール・バレンティンが本塁打記録を更新したことは、風向きが変わり始めていることの証だ。
さらに、最近では「レイシスト」や「ヘイトスピーチ」という以前は聞き慣れていなかった言葉が蔓延している。
そして、今回の一件によって人種差別がいかに罪の重いものかが広く認知されることを期待したい。そうなれば、Jリーグが下した判断がサッカー界のみならず、日本全体に影響を与えるきっかけとなるはずだ。
少なくとも、サッカーファンは今回の件を「浦和レッズの問題」とせず「日本サッカー界への警鐘」として受け取るべきではないだろうか。悲しき前例をつくってしまったが、これが最初で最後、Jリーグにとって唯一の事例となることを切に願う。
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