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久々復帰のパク・チュヨンが好調アピールも守備では大きな課題。W杯へ向け韓国代表の模索は続く

text by 呉承鎬 photo by Getty Images

守備では依然として課題も

 前出のリュ・チョン記者が言葉を続ける。

「パク・チュヨンの先発起用は意外なことではないでしょう。韓国にとって、ギリシャ戦は“最終試験”。すべてのカードを切るべき舞台でした。パク・チュヨンはそこできっちり結果を出したのだから、今後はコンディションを整えることだけが重要となってきます。このままチームに溶け込めれば、ワントップは決まりかもしれません」

 必要不可欠なエースの復活。それでもホン・ミョンボ監督の“模索”は、ギリシャ戦でも続いた。キム・シンウク、キム・ボギョン、イ・グノを途中出場させるだけでなく、キ・ソンヨンに替えてハ・デソンを投入。いわば、別プランまで試していたのだ。

 もちろん、すべてが順調だったわけではない。課題として浮上したのは守備力だ。

「韓国は結果こそ無失点で終えたものの、ゴールポストに三度も助けられている。ギリシャは不運で、韓国はかなり運に恵まれていたと言えます。あきらかに守備に不安が残っています。DF個々人の問題というよりは、組織力がまだ完璧ではないという印象を受けました」

 ギリシャ戦の4バックは、左からキム・ジンス、キム・ヨングォン、ホン・ジョンホ、イ・ヨン。定着しつつある4人だが、今回の内容を見る限り、まだまだ動きがあるのかもしれない。ホン監督も試合後、「GKとサイドバックのポジション争いが、最もし烈だ」と明かしていた。

「韓国がギリシャ戦で得たものは、パク・チュヨンの健在と、海外組のコンディションが良好ということ。そんな成果とともに、ディフェンスという課題も見えました。本当にギリシャ戦は本当に最後の試験となった。もうこれ以上はありません。このままW杯に向かうことになります」

 ギリシャ戦を通じて韓国が手にした成果と課題は、W杯への跳躍台となるだろうか。最終メンバーを発表する5月までホン監督の“模索”は続くだろうが、最終試験を会心のゲームで締めくくった韓国に、勢いがついたことだけは間違いなさそうだ。

【了】

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