若干の気の弛み、勝ち疲れか
それにしてもミュラーのどこか気の抜けたPKや、ゴールを奪われる直前、ポドルスキに一見押し倒されたような格好となったラームは審判の笛が鳴らずともファウルと決め込んでしまったことなど、バイエルンにどことなく気の弛みのようなものが垣間見えたのも事実だ。ちょっとした勝ち疲れのようなものなのかもしれない。
しかし指揮官が「我々は1stレグからのアドバンテージを楽しんだ。我々はとても聡明なやり方でプレーした。私はチームにとても満足している」と言うように、そんな綻びは些細なことに過ぎないのだろう。試合後のコメントでまた、ペップはこうも言う。
「バイエルンにベストイレブンは存在しない」
要するにそのときどきで調子の良いものを使う、ということなのだそうだが、裏を返せばバイエルンは常に変化、進化していくという意味に取れなくもない。
ペップ・バイエルンは今もなお、成熟の途上にあるのだ。
【了】